富野由悠季の世界

富野由悠季の世界

週刊トミノ展

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2019年6月、「富野由悠季の世界」福岡に立つ!

コロナ禍の影響で、巡回日程に変更が生じてしまいました。残念…しかし、中止ではなく延期。「富野由悠季の世界」の全体会期が延びたと思えば楽しみも増える? でも、本来の会期中に何も展開してないと皆さんが富野監督の事を忘れてしまうかも!ということで始まりました「週刊トミノ展」。その第1回目は、第1会場であった福岡市美術館での開幕のころを書いてみようと思います。

 いずれの展覧会にもあてはまりますが、第1会場の準備は、第2会場以降と根本的に異なります。展示に関するすべての準備をしなければなりません。福岡で企画制作しなければならないものがたくさんあるのです。

箇条書きにすれば;
①基本的な展示プラン(作品、パネルどのように並べるかを決定。ここで基本形を作っておいて第2会場以降でアレンジ)
②作品の展示のための準備(紙の作品、資料の額装、ユニット入れ)
③キャプション、解説パネル、写真パネルの作成
④映像インスタレーション
⑤プラモデル

それぞれについて詳しく書くと、連載の範囲を超えてしまいますので手短に。
①各担当者から上がったリストを基に福岡サイドで仮図面を起こしてみたら、イデオンまでで会場の半分以上が埋まってしまった…。夜中までの仕事は慣れっこでも、不安でこの夜は一睡もできず。気を取り直して、作品間隔をできるだけ詰め、壁面を大幅に延長(これで必要壁面長を算定)、各担当者に壁面の長さを割り振り、各コーナーの展示プランを出していただき、福岡でまとめる、という段取りでした。
②今回、紙資料を効率的かつ効果的に展示するため「ユニット」(壁掛け、床置きの二種)を準備。これで輸送もいっぺんに行えるので、巡回が楽になります。しかしユニット内に作品を配置する作業は現場作業。並べるだけだから簡単に終わるかと思いきや意外に大変…。ガイドもなにもないからうまく並べたはずが結構斜めになってたり、想定サイズが違ってたり…。 ③この展覧会、とにかく解説が多い! もちろんキャプションも! さらに、想定より足りなかったり、間違いを見つけたり。ユニット内のキャプションがたまに脱落したりして、その手間は結局兵庫まで続きました…。 ④八嶋有司さんによる映像インスタレーション。プロジェクタを5台使用しています。百戦錬磨の八嶋さんも、最初の仕込みでは機材の配置がうまく決まらずかなり時間がかかっていました。
⑤会場を彩った数々の素組のプラモデルは、平ものの多い展示の中でいいアクセントとなったのではないかと。でも自前でプラモを供出までは良かったが制作が間に合わず、展示室のそばの小部屋で即席のプラモ合宿がスタート(展示作業は?)。与圧服設営で福岡入りしていたアーティストの青秀祐さんまで動員(笑)やりだすと楽しいんですけどね…。 各巡回館の学芸員全員が駆け付け、多数の額、ユニット、写真パネルの配置と展示を、輸送会社のスタッフとともに朝から晩までひたすら作業。そんなこんなでどうにか間に合い、開幕前日には富野由悠季監督がご来館。監督はここで初めて展覧会の全貌を目にしたので反応がちょっと怖かったのですが、とても上機嫌で会場をめぐっておられ、私たちの苦労も報われた思いがしました。
(福岡市美術館 山口洋三)