富野由悠季の世界

富野由悠季の世界

週刊トミノ展

WWT004

翔べ!グラントワ コロナを越えて

 会期中にコロナ渦に巻込まれ、3月のイベントが飛んでしまった島根会場ですが、展覧会は奇跡的に会期を全うできました。  島根県立石見美術館は、島根県益田市に立地する劇場と美術館の複合施設、島根県芸術文化センター「グラントワ」内にあります。「グラントワ」というトミノっぽいネーミング、実は宇宙要塞なのかもしれない。コロナから逃げ切れたのは、トミノオーラバリアーのおかげかも…… さてそのグラントワのクルーが、県庁所在地ですらない地方の街に富野御大をお迎えするにあたり画策したのは、「地域巻き込み作戦」と「劇場との同盟」。島根県在住のメカデザイナー・山根公利さんの作品展示や、作詞家「井荻麟」を歌うイベント&作詞生原稿展示などは、ホームページ等でご案内のとおり。ほかに何かできないか……と、地元の模型店「ツクロ」さんに相談したところ、「街をプラモで埋め尽くす!」プロジェクトが発動。モデラ―諸氏のご協力も得て、プレゼントキャンペーン参加の市内飲食店や、萩・石見空港のバゲッジルームまでがモビルスーツに占拠されたのでありました。
 そして忘れてならないのが「シャア専用源氏小巻」!和菓子店「三松堂」の社長さんに「富野展とコラボしません?」と話をふったところ、富野ファンの職人さんたちのチームプレイにより、タイトなスケジュールにもかかわらず、センスあふれるパッケージ&焼き印&上品な餡の、ステキお菓子が完成。驚きのスピード&クオリティ、やはりシャア専用!
 一方、劇場との同盟は、トーク&ライブ「井荻麟の世界」だけでなく、「島根会場名物・天井画」にも威力を発揮。実はコレ、劇場の照明スタッフの超絶技巧。写真のような「ネタ」(DVDとの比較でサイズをご確認ください)を切り抜いてスポットライトに仕込み、ドーム天井に投影した影絵なのです。2週間に1度入替えがありましたが、全部ご覧になれた方いらっしゃいます?  最後に展示の裏話。福岡会場の図面をもらって壁面総延長を計算し、当館の壁面と比べたら、なんと300mも足りなかった!当館で一部作品の展示替が発生したのはそんな理由からなのでした。入替えは最小限にとどめたものの、「作品が減った!」とお叱りを受けるかと思いきや「今までなかった作品が出てる?」という質問が複数あってびっくり。一度に飾る量がしぼられると、1点1点が目立つのでしょうか。富野監督からも「質量のある展示」という評価をいただきました。
 かように、巡回展は会場ごとに作品の見え方や周囲の演出が異なります。ちょっとお休みを挟みますが、後半3会場もどうぞお楽しみに!
(島根県立石見美術館 川西由里)